§78. ビアハウスの看板

 ビアハウスの名板を作成してみます。本家チュートリアルは簡単にできるようなことを書いていますが、結構大変です。デスクトップやWebサイトの壁紙に利用したい方はそれなりのサイズで作成してください。Photoshop のチュートリアルサイトAdobe Tutorialsから Beer House を参照してGIMPで実践しています。このチュートリアルは本家のチュートリアルを参照し、同様の効果が得られるようGIMPで実行しています。別法を使用したところ、省略したところ等本家チュートリアルに忠実ではありませんが、GIMPで殆ど変わらぬイメージの作成ができています。

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     完成画像。

Step1-4 適当に縮小した煉瓦壁のダウンロード画像。

Step 1

 背景用画像の設定。

    1/ 新しい画像を作成します。

    ファイル>新しい画像

    サイズ=640×400
    背景=白

    【NOTE】 先述しましたが、壁紙等に利用するのであれば、それなりのサイズにします。

    2/ CG Texturesから画像をダウンロードします。CG Textureは登録が必要ですが、画像はフリーで利用できます。

    作例では、Brick>Mixed Sizeカテゴリから、BrickOldMixedSize0126_1_M.jpg をダウンロードしています。

    3/ ダウンロードした画像を別プロジェクトで開き、適切なサイズに変換した後、このプロジェクトのイメージウィンドウにドラッグドロップします。

    ファイル>開く
    画像>画像の拡大縮小

    4/ [OPTIONAL] 画像を適当に拡大縮小します。

    作例では少し縮小してあります。

    5/ レイヤー名を変更します。

    レイヤー名=Brick Wall

Step2-2 夜のように。

Step 2

 背景の夜景化。

    1/ Brick Wallレイヤーをクリックした後、新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Blue Bkgr
    背景=透明

    2/ Blue Bkgrレイヤーのレイヤーモードを変更します。

    レイヤーモード=ハードライト

    【NOTE】 画像によってレイヤーモードの設定は変わります。左図の雰囲気になるように試行錯誤してください。

Step3-4 名板の外形。

Step 3

 名板の外形の作成。

    1/ 楕円選択ツールで、中央やや下に楕円の選択範囲を作成します。

    作例では、以下で実行しています。
    開始位置=160、170
    大きさ=320、160

    2/ Blue Bkgrレイヤーをクリックした後、新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Sign Board
    背景=透明

    3/ 描画色を変更します。

    描画色=003d7c(HTML表記)

    4/ Sign Boardレイヤー選択状態で、選択範囲を描画色で塗りつぶします。

    編集>描画色で塗りつぶす

    5/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択範囲の解除

Step4-2 レイヤーマスクにブレンドを適用。

Step4-3 名板周囲を明るくするためにブラシを適用。

Step 4

 名板にライトが当たっている雰囲気に。

    1/ Blue Bkgrレイヤーにレイヤーマスクを追加します。

    レイヤー名=Sign Board
    背景=透明

    レイヤーマスクの初期化方法=完全不透明(白)

    2/ Blue Bkgrレイヤーのレイヤーマスクにブレンドを適用します。

    設定:
      描画色=黒
      背景色=白
      グラデーション=描画色から背景色(RGB)
      形状=放射状
      グラデーションの適用方向=塗りつぶしたSign Board領域の中央から端。

    3/ Blue Bkgrレイヤーのレイヤーマスクに対し、塗りつぶしたSign Board領域の周囲をもう少し明るくするために、以下の設定でFuzzyブラシを左図のように適用します

    ブラシ=Circle Fuzzy (19)
    不透明度=50

Step5-6 オレンジの光を追加。

Step 5

 名板にライトが当たっている雰囲気に。

    1/ Blue Bkgrレイヤーをクリックした後、新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Orange Blur
    背景=透明

    2/ Sign Boardレイヤーから選択範囲を作成します。

    Sign Boardレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    3/ 描画色を変更します。

    描画色=fbaf5d(HTML表記)

    4/ Orange Blurレイヤーをクリックした後、選択範囲を描画色で塗りつぶします。

    編集>描画色で塗りつぶす

    5/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択範囲を解除

    6/ Orange Blurレイヤーにガウシアンぼかしを適用します。

    フィルタ>ぼかし>ガウシアンぼかし

    ぼかし半径=50

Step6-7 名板全体を木の画像で充填。

Step6-10 木製フレームの完成。

Step 6

 名板の枠を作成。

    1/ CG Texturesから枠用の画像をダウンロードします。

    作例では、Wood>Planks>Cleanカテゴリから WoodPlanksClean0038_2_L.jpg をダウンロードしています。

    2/ ダウンロードした画像を別プロジェクトで開き、適切なサイズに変換した後、このプロジェクトのイメージウィンドウにドラッグドロップします。

    ファイル>開く
    画像>画像の拡大縮小

    3/ [OPTIONAL] 画像を適当に拡大縮小します。

    作例では少し縮小してあります。

    4/ レイヤー名を変更します。

    レイヤー名=Wood Frame

    5/ Sign Boardレイヤーから選択範囲を作成します。

    Sign Boardレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    6/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    7/ 画像の不要な部分を消去します。Wood Frameレイヤーをクリックし、次に[Del]キーを押して不要な部分を消去します。

    8/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    9/ 選択範囲を縮小します。

    選択>選択範囲の縮小

    縮小量=6

    10/ 画像の不要な部分を消去します。Wood Frameレイヤーをクリックし、次に[Del]キーを押して不要な部分を消去します。

    11/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    選択>チャンネルに保存

    チャンネル名=Board

    12/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択範囲の解除

Step7-2 名板の影。

Step 7

 名板の影の作成。

    1/ Sign Boardレイヤーから選択範囲を作成します。

    Sign Boardレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ Sign Boardレイヤー選択状態で、ドロップシャドーを適用します。

    フィルタ>照明と投影>ドロップシャドー

    設定:
      Xオフセット=0
      Yオフセット=16
      ぼかし半径=20

Step8-7 名板内部を作成。

Step 8

 名板の作成。

    1/ CG Texturesから名板用の画像をダウンロードします。

    作例では、Wood>Planks>Cleanカテゴリから WoodPlanksClean0036_2_L.jpg をダウンロードしています。

    2/ ダウンロードした画像を別プロジェクトで開き、適切なサイズに変換した後、このプロジェクトのイメージウィンドウにドラッグドロップします。

    ファイル>開く
    画像>画像の拡大縮小

    3/ [OPTIONAL] 画像を適当に拡大縮小し、回転させます。

    作例では少し縮小してあります。

    4/ レイヤー名を変更します。

    レイヤー名=Wood Board

    5/ チャンネルタブに移動し、Boardチャンネルから選択範囲を作成します。

    Boardチャンネルを右クリック>チャンネルを選択範囲に

    6/ 選択範囲を反転します。

    選択>選択範囲の反転

    7/ 画像の不要な部分を消去します。Wood Boardレイヤーをクリックし、次に[Del]キーを押して不要な部分を消去します。

Step9-2 名板内部の影。

Step 9

 名板内部の影の作成。

    1/ Wood Boardレイヤーから選択範囲を作成します。

    Wood Boardレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ Wood Boardレイヤー選択状態で、ドロップシャドーを適用します。

    フィルタ>照明と投影>ドロップシャドー

    設定:
      Xオフセット=0
      Yオフセット=4
      ぼかし半径=8

Step10-3 ワイアーの位置。

Step10-8 ワイアーをブラシで描画。

Step 10

 名板を吊るワイアーの作成。

    1/ 名板の回りに吊り下げ用のワイアーを巻きます。Sign Boardレイヤーから選択範囲を作成します。

    Wood Boardレイヤーを右クリック>不透明部分を選択範囲に

    2/ 選択範囲を拡大します。

    選択>選択範囲の拡大

    拡大量=2

    3/ 選択範囲を適切な位置に移動します(左図参照)。下はイッパイに、上を少し開けます。これは吊り下げ用リングを入れる空間です。

    4/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    選択>チャンネルに保存

    チャンネル名=Wire Inside

    5/ 選択範囲を拡大します。

    選択>選択範囲の拡大

    拡大量=2

    6/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    選択>チャンネルに保存

    チャンネル名=Wire Outside

    7/ チャンネルタブに移動し、Wire Insideチャンネルを選択範囲から引きます。

    Wire Insideチャンネルを右クリック>選択範囲から引く

    8/ レイヤータブの最上層に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Hoisting Wire
    背景=透明

    9/ Hoisting Wireレイヤー選択状態で、選択範囲の上から下にブラシを走らせます。

    ブラシ=SS-ropes-n-chains.abr-031

    このブラシを含むチェーンブラシはこちらからダウンロードできます(フリー)。

Step11-5 リングの選択範囲。

Step11-10 重なっている部分の一方を消去してリアルにしたリング。

Step 11

 名板用吊り具の作成。

    1/ 吊り下げ用のワイアーにリングを取り付けます。楕円選択ツールで小さな真円の選択範囲を作成します。

    2/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    選択>チャンネルに保存

    チャンネル名=Ring Inside

    3/ 選択範囲を拡大します。

    選択>選択範囲の拡大

    拡大量=2

    4/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    選択>チャンネルに保存

    チャンネル名=Ring Outside

    5/ チャンネルタブで、Ring Insideチャンネルを選択範囲から引きます(左図参照)。

    Ring Insideチャンネルを右クリック>選択範囲から引く

    【NOTE】 当然のことですが、この選択範囲を適切な位置に移動させます。

    6/ レイヤータブの最上層に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Hoisting Ring R
    背景=透明

    7/ Hoisting Ring Rレイヤー選択状態で、選択範囲の上から下にブラシを走らせます。

    ブラシ=SS-ropes-n-chains.abr-031

    8/ Hoisting Ring Rレイヤーを複製します。

    レイヤー名=Hoisting Ring L

    9/ Hoisting Ring RレイヤーがHoisting Wireと重なっている部分の片方を削除しリアルにします。

    10/ Hoisting Ring Lレイヤーを適切な位置に移動し、Hoisting Ring LレイヤーがHoisting Wireと重なっている部分の片方を削除しリアルにします。

Step12-3 入力したテキストをバンプマップ。

Step 12

 文字の入力。

    1/ 白で適切な文字を入力します。

    設定は任意ですが、作例では:
      フォント=KaiserzeitGotisch
      文字サイズ=60

    2/ 入力した文字レイヤーのレイヤーサイズをキャンバスに合わせます。

    入力した文字レイヤーを右クリック>レイヤーをキャンバスに合わせる

    3/ Wood Boardレイヤーをクリックし選択状態にした後、バンプマップを適用します。

    フィルタ>マップ>バンプマップ

    設定は任意。試行錯誤してください。作例の設定は:
      バンプマップ=Beer House(入力した文字レイヤー)
      暗くならないように補正する=チェック
      方向=136.96
      持ち上げ=48.17
      深度=20
      Xオフセット=-9
      Yオフセット=-30
      水位=183
      飽和度=0

Step13-3 チェーン環の選択範囲。

Step 13

 チェーンの作成。

    1/ チェーンを吊り具に取り付ければ完成ですが、チェーンがありません。ブラシを探すのも一つですが、ここでは簡単に自作してみます。新規のプロジェクトを立ち上げます。

    ファイル>新しい画像

    サイズ=640×400
    背景=白

    2/ 背景レイヤーの上に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Chain
    背景=透明

    3/ 左図のような選択範囲を作成します。

    【NOTE】 作例では連結されるチェーンの環を1/3と2/3に分割したいので、選択範囲の高さを矩形選択ツールのプロパティで270に設定しています。

Step14-1 選択範囲をこの様にブレンドします。

Step14-3 不要部分を削除してチェーン環を作成。

Step 14

 チェーンの作成。

    1/ Chainレイヤーにブレンドを適用します。ここでは真鍮のチェーンを作成したいのでゴールドでブレンドしています

    設定:
      グラデーション=Golden
      形状=放射状
      グラデーションの適用方向=中央から選択範囲を越えて右に(左図参照)

    2/ 選択範囲を縮小します。

    選択>選択範囲の縮小

    縮小量=40

    3/ Chainレイヤー選択状態で[Del]キーを押し、不要部分を削除します。

Step15-1 連結用リングの選択範囲の作成。

Step15-5 選択範囲をこの様にブレンドします。

Step 15

 チェーンの作成。

    1/ それぞれ別個に左図のように選択範囲を作成します。上下が接続するので、角丸四角の丸みを帯びた部分が上下のガイドラインの外側に完全に出るように作成します。

    2/ 選択範囲をチャンネルに保存します。

    上部選択範囲のチャンネル名=Upper
    下部選択範囲のチャンネル名=Bottom

    3/ チャンネルレタブに移動し、Upperチャンネルから選択範囲を作成します。

    Upperチャンネルを右クリック>チャンネルを選択範囲に

    4/ Bottomチャンネルを選択範囲に追加します。

    Bottomチャンネルを右クリック>選択範囲に加える

    5/ Chainレイヤー選択状態でブレンドを適用します。

    設定:
      グラデーション=Golden
      形状=線形
      グラデーションの適用方向=選択範囲を越えた左から選択範囲を越えて右に(左図参照)

    6/ 選択範囲を解除します。

    選択>選択を解除

Step16-1 必要な部分のみ切り取ります。

Step16-2 適切なサイズに画像を縮小します。

Step 16

 チェーン ブラシの作成。

    1/ ブラシになる必要部分だけをクラップします。

    2/ クラップ下画像を縦のサイズが100になるように縮小します。

    画像>画像の拡大・縮小

    画像サイズ(キャンバスサイズ): 高さ=100

    3/ 背景レイヤーを削除します。

    4/ GIMPのbrushesフォルダに、Brass Chain.gbr として保存します。

    ファイル>別名で保存

    5/ ブラシダイアログの更新ボタンを押して保存したブラシを有効にします。

Step17-3 チェーンの取り付け。

完成時レイヤー構造

Step 17

 元のプロジェクトに戻って、Beer Houseの名板にチェーンを取り付ける。

    1/ レイヤータブの最上層に新規レイヤーを作成します。

    レイヤー名=Chain
    背景=透明

    2/ ブラシダイアログで、今作成したチェーンブラシを選択し、以下の設定を実行します。

    間隔=100

    3/ Chainレイヤーを選択状態で、ブラシを両側に適用します。

    ブラシ=Brass Chain
    拡大・縮小=任意(作例では、0.22)

    完成です。下に実画像を示します。

完成図(実画像)

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初版作成: 2011/01/01
Presented by HIPPO